絶対NG！海外植毛で多発する「株数水増し・虚偽報告」の闇

新田翼

薄毛の悩みは深く、多くの方が「手頃な価格で、一度に大量に移植できる」という海外植毛に希望を見出します。しかし、残念ながらその希望が「株数の水増し」という形で無残に裏切られる事例が後を絶ちません。

海外植毛で最も多発し、そして最も発見が難しい「株数詐欺」の実態を、私たちは数多くの失敗事例を見てきました。この問題の核心を理解し、これを読んでくださる方の大切な時間、費用、そして髪の未来を守るために、この記事を最後までぜひ読んでいただけると幸いです。

1. 植毛で最も恐ろしい裏切り：「株数詐欺」という深刻な現実

「4000株移植しました」というクリニックの言葉を信じ、高額な費用を支払っても、実際に移植されたのはその半分以下の株数だった。これはフィクションではなく、海外植毛において日常的に発生している深刻なトラブルです。

移植株数が虚偽報告されると、以下の致命的な結果を招きます。

費用対効果がゼロ：4000株分の費用を払いながら、2000株分の効果しか得られず、本来必要なかったはずの「再手術」を検討せざるを得なくなります。
ドナー（後頭部）の無駄な浪費：植毛に使えるドナーの毛根は一生涯で限られています。虚偽の報告によって、貴重なドナーが不必要に採取され、将来的に必要な再手術の選択肢を奪ってしまいます。
精神的なダメージ：期待した効果が得られないことによる心理的な失望感、クリニックへの不信感は、患者様のQOL（生活の質）を著しく低下させます。

あるお客様は、他国で「4000株の移植」を受けたにもかかわらず、全くボリュームが出ないことに不安を感じ、海外植毛の窓口を訪れました。

長年の経験を持つ植毛専門医がドナー部位（後頭部）の採取跡や全体的な密度、さらに移植部位のボリュームを確認した結果、「医学的に見て到底4000株のボリュームではない。推定では2,000株から2,500株程度だろう」と断定されました。

なぜ、このような虚偽がまかり通るのでしょうか？

患者様ご自身が手術中に採取された株を正確に数えることは不可能です。この情報のブラックボックス化こそが、悪質なクリニックが「数を数えているフリ」をするだけで利益を不正に水増しする温床となっているのです。

海外、特に安価な植毛を提供する一部の国では、医療の質よりも利益の最大化が優先される傾向にあります。この構造が「株数詐欺」を組織的に生み出しています。

一部の信頼できないクリニックでは、以下のような悪質な行為が組織的に行われています。

契約株数と移植株数を意図的に乖離させる：高額なパッケージ（例：4000株）を契約させ、実際は少ない株数（例：2500株）しか移植しないことで、1500株分の材料費と人件費を丸ごと利益とします。
カルテ上だけ株数を増やす：手術記録には虚偽の株数を記載し、後のクレーム対応にも備えます。
低熟練度のスタッフによる施術：コスト削減のため、経験の浅いスタッフが施術を行う結果、採取ミスや株の損傷が増え、結果として定着率が低下します。これも広義の「株数のごまかし」です。